スリップ判明から一夜明けて
今日は夫は仕事で朝早くから出かけていった。私の方はというと、起きた時に漠然とした絶望感に包まれてしまって、デスクに向かう気力も削げて心がしょぼしょぼだった。
昨晩は、とりあえずスリップ自白した夫を一方的には責めてはいけないと思って、明るめに振る舞ってみたりしたが(冗談めかして「ちょ!何やってんねんワレ!笑」と笑いながら話してみたり)、でも自分が思っているより上手く振舞えていなかったかもしれない。
夫には3月、4月と借金返済に注力してもらうため(というか、借金返済してると普通に支払えないから)家賃・光熱費・食費など生活費全部私が賄っているのだけれど、にも関わらず夫は趣味のゲームに課金した上に再びオンラインでギャンブルにお金を使っていて、家に一切お金を入れてくれてないことに対する怒りがあとからあとから沸いてきてしまい、朝から落ち込んだ。
そこに使うお金があるなら少しでも生活費入れてくれよょょ…おぉいおいおい…(涙)という気持ち。
なんのために、自分がしこたま働いて、自炊して、外食も我慢して、少しでも安い日用品を買って生活のやりくりをしているんだか分からなくなった。
夫に付き添って依存症を見てくれる精神科に初めて行った時「夫はオンラインギャンブルにハマってしまっている、家族としてどう対処したら良いか」聞いたところ「携帯を物理的に取り上げる他ない」と言われたのを思い出した。
実際のところ、夫が家でスマホをぽちぽちやっているのを見ていると「今まさにギャンブルしているんじゃないか」と不安になってキョドってしまう自分がいる。ちらっと画面を覗きこむときもある。だいたいソシャゲをやっているので安心していたけれど、結局そんなの意味なくて、ふらっとネットからオンラインギャンブルでアカウント作成してお金をつぎ込んだのだ。
本人のストレスを考えると、ゲームくらいは許容しないとダメかもしれないと思っていたけれど、お金の突っ込み方がギャンブルと同じで、自分で支払える額の枠内でできていないから全然ダメそうだった。ゲームもギャンブルも、結局脳の報酬系を刺激するという意味では同じだから、どちらも依存先になってしまうんだなあ…
田中紀子さんの著書も改めてパラパラと見返していたけれど「ギャンブラーにお金の管理能力はない」のだ。お金の管理能力はないし、オンラインギャンブルのアカウントを私の目の前で削除したとしても結局また別のサイトで作るからそんなのも意味ないのだ。
夫の借金返済に私は一切手を出さない。それはギャンブル依存症が発覚した時もスリップが分かった今も全く同じスタンス。それになるべく本人のお金の管理もしたくない。しかし今回の敗因は、夫の口座に夫の給与が全額あって、その状態で口座からギャンブルに送金してしまっていたことにある。こうなったら、給与が振り込まれたタイミングで全部私に一旦預けてもらって、必要分だけ渡していくしかないのかと頭をよぎったけれど、本人のお金の管理はしちゃいけないというのも見た気がしていて、正しい対応方法が分からないでいる。
家賃生活費の支払いを全く無しにしているのが良くないのかもね。共同生活をしているのだから共同生活者としての最低限の責任は果たして欲しい。
夫の様子:スリップ自白のとき
スリップを自白した時の夫の様子を書き留めておきたいと思う。
直近の様子についてだけれど、割とうつ状態は回復してきて、朝起きて仕事出来るようになってはいた。ただ朝の起床が難しい日もあるので、3〜4月の定期的な出社は基本なし、ということで上司が調整してくれていたらしい。直近、タバコの量は増えていたと思う。頻繁にタバコが切れて、私から貰いタバコをしていた。
さて、スリップ自白の昨夜「会社に行くまでの交通費を貸すにあたり口座を見せて」と私が言うと、割と素直にスマホを差し出してはくれた。2人で出金先を1つ1つ指先確認し「これは何に使ったお金か?」と聞くと、ゲーム課金とオンラインギャンブルであることが判明。さらには追加で消費者金融からお金を借りて借金膨らませていることも確認。「おい!完全にスリップしてるじゃねーか!」と軽くどつくと、夫は「ひいん」と言いながら渋い顔をしていた。ゴールデンカムイの脱獄王白石みたいな顔と言ったら分かるかな?分からなかったらググってくれ…
夫は指差し確認の時は「はい…はい…」とデカい体を縮こませてしおらしくしていた。「ええー、もうどうするぅこれぇ…?」と私が困惑しながら夫に問いかけると「どうしたらいいんでしょう…」と返答する。以下、会話の覚書。
私「どうしてまたギャンブルしちゃったの」
夫「仕事のストレス…かな…(顔そらし)現実逃避したくなった時にふと登録してて…少しだけ、という感じでやってしまいました…」
私「ギャンブルしたくなったら別の手段を考えられるようにならないとダメだよね。」
夫「はい…もう自分でもどうしたらいいのか…(分からない)」
私「仕事のストレスでタバコの量が増えたからお金ないって言ってたよね?」
夫「ギャンブルに入れるお金も無くなって、タバコの量が増えたと言いますか…」←タバコはタダじゃないので正常な判断できてない
私「夫はどうしたいの?ギャンブルやめたいのにやめられないという感じなの?」
夫「ギャンブルしたくてたまらないみたいな渇望はない。ただ、現実逃避とか息抜きしたくなった時に手が伸びてしまっている…この手グセをどうにかしたい気持ちはある」
私「ギャンブル依存症にスリップはつきものだって分かっちゃいたけど、こんなに早くにスリップするとは思わなかった…正直知見が何もないから私もどうしたらいいか分からない。2年前に私がお金かした時と全く同じことになっているよね。」
夫「….本当にごめんなさい」
私「それは何に対する謝罪なわけ?」
夫「青子に嘘ついてしまったこと、約束破ったこと、またギャンブルしてしまったことについて…」
…とこんな感じ。
次どうしたらいいんだろうね、とふたりで考えていたけれど、私は頭真っ白だし夫は当事者だしで良い案が出るわけもなく、明日も早いからと言うことで終話して就寝に至った、という顛末。
ちなみに夫は先日のGAでは「またギャンブルをしてしまった」ことについて仲間に打ち明けられたらしい。人に全然言えてなかったことを思えばそこは進歩しているのかもしれない。
次の手:自助グループ以外の団体へのアクセス
正直、結構今回の件はこたえていて、普通に心くじけそうになっている。自分だけじゃ全然対応できない、無理、となってしまったので、仕事の合間に田中紀子さんが代表をしている「ギャンブル依存症問題を考える会」の当事者相談専用電話に電話をかけてみた。
直近、大谷選手の元通訳者だった水原さんの一件もあり、繋がりにくいことを覚悟していたのだけれど、有難いことに何コールか待ったところで応対してくださる方に繋がった。
夫がギャンブルの問題を抱えていること、すでに精神科や自助グループには繋がっていることを伝え、昨晩スリップが発覚したので相談したい旨を伝えると「NPO法人 全国ギャンブル依存症家族の会」が主催する家族会への参加を促された。
GAやギャマノンは、基本的に「言いっ放し、聞きっぱなし」の活動で、私が参加しているギャマノンのグループだと多少の情報交換は出来るのだけれど、具体的に「こうしたらああしたら」というアドバイスというのはNGの行為であり、行われていない。メンタルケアとしては良い活動なのだけれど、外部の協力者を得るということには向いていない。その点、家族会では具体的な相談に乗ってくださるということなので、今度夫も連れて参加してみようと思う。
自分たちでどうにもできない問題を自分たちだけで抱えている時間が一番無駄。
出来ることはどんどんしなきゃと思うので、夫と連れ立ってとにかく参加してみたいと思っている。参加した感想なんかを後日レポできればと思う。
青子の話
正直けっこーキツい!そう簡単じゃないとは分かっていたけれど、知識としてインプットされていただけで、実際にスリップされてみると一進一退すぎてヤバい!富士山を登山した時を思い出す。富士山って砂利でできている山だから、リアルに1歩進んで2歩下がるんだよね。そうはいっても富士山は景色が変わっていくから「登ってる」感があるけれど、ギャンブル依存症はそうはいかないから、自分の気持ち次第ではジリジリと削られる一方だろうなと思ってクラクラしている。
普通にこの問題考え始めると気がおかしくなりそうなので、頓服のお薬を飲んで、仕事に集中することで何とか正気を保とうと必死な感じ。ここのところ仕事の量も多いし、この2〜3ヶ月は仕事に集中することもできないしで、全然タスクが捌けず残業三昧にはなっている。
残業三昧なのは今に始まったことではなく、夫と結婚する前からそうなので別に変わらないのだけれど、たまたま今日上司から連絡があって、残業時間が規定超えてるから残業なるべくしないようにしてくれとか言われて超ウケた。自分の仕事の能力が低くて招いている気もするけど、私の同僚(同じポジション)も同じ勧告受けてたから、人的リソースが全体的に足りてないうちの会社も悪い。
残業代たくさん入ってくれ〜お金がたくさん稼げたら私の心の安寧も幾ばくか保てることでしょう。
高校生の頃から万年鬱太郎なので、ショックな出来事が起きるとそれによって生活が左右されてしまうのが怖い。なんとか薬やお酒やでごまかしごまかしやっているけれど、そんな無理がいつまでも続くわけない。健康になりたい。
私自身10〜20代にかけて、自傷行為、主にリストカットがやめられなかったタイプのメンヘラ人間でもあるのだけれど、あれも今思えば依存症の一種だった気がする。夫と付き合い始めてからピタッと自傷は止まった。(たまに限界になると壁に頭を打ち付けたり机を殴ったりしているけれど)薬の処方が合うようになったからかもしれないし、成人してお酒を飲むことで必要以上に物事を深く考えない時間を設けられるようになったからかもしれないけれど、何より夫が、私以上に私が傷つくことを心配してくれる人だったから、夫を悲しませたくないなという気持ちもあって、リストカットをすることが無くなった。
でも、その裏で、私に嘘つきまくってギャンブルして借金作りまくっていたことが分かった今となっては、夫は物理的に私が傷つくことを心配しているだけであって、精神的に傷つくことに対してはそんなに恐れがないのかなと思うと、大切にされていない・尊重されていないような気がしてきた。悲しい。
私が目の前でリストカットしたり首でも吊ったら、何か変わるんじゃないかなんて嫌な想像をしてしまう。これが本当のショック療法、なんちゃって。
2月に夫のギャンブル依存症が分かったり、大嘘がめくれたりした時は私も大泣きしたけれど、結局大泣きして、一生懸命夫と話したって1ヶ月(実質半月)くらいしか効力がなかったわけだし、ギャンブル依存症という病気に対して私は無力です。
あー、平穏な時間をください、神様。
私は無宗教者だけれど、ハイヤーパワーなるものが導いてくれることを願いたい。
青子が最近気になっていること
ギャンブル依存症についてギャマノンで色々学んだり、文献を読んだりすると、ギャンブラーのパートナーや親が「共依存」に陥っているという記述を見つける。怖くてまだ全然見れていないのだけど、自分も該当していそうで怖い。でも多分近いうちに、自分が共依存なのかどうかも含めて向き合わないといけないのかもしれないと思っている。
それから、先述した通り私は自傷行為に依存していたけれど、ほぼ今の時点でやめられているというところは、もしかしたら依存症の回復のヒントがあるんじゃないかと思ったりしている。(これが結局共依存によって、一時的に私の手から離れているだけ、という結論になりそうな気もしないではないのだけれど)
もう少し、共依存というものについて調べてみたいと思っている。
水原さんの事件を受けて、田中紀子さんをメディアで見る機会が増えている。私ももう一度読み返すか…
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